2016年6月13日月曜日

ローカルルールからの脱却 

“不適切だが違法ではない”
誉められた内容ではないので、流行語にはなってほしくないフレーズです。 「クレヨンしんちゃん」の単行本購入は児童の言葉遣いを調査するためであり、「ピザの焼き方本」の購入は、ピザを焼きながら政治課題について意見を聞いたことがあるという弁明・・・ 政治資金が余っていたのかもしれませんが、我々が選挙で選んだ都政トップの政治資金利用方法を聞き、いささか失笑気味です。

おそらくですが、個人事業主のままの感覚で今だ経費勘定をしているのでしょう。もちろん自分で稼いでいる個人事業主が家族で回転ずしに行ったら、領収証をもらい経費に落とすことはあり得るでしょう。個人事業から法人成りするのも、所得税率よりも法人税率が低いから。社長の給料を低くして法人の経費を使うのは中小零細企業の現実です。

ここまではゴルフで言えばローカルルール。「6インチ・リプレースOK」です。でも公の立場になれば「ノータッチ」。即ちあるがままでプレーしなければいけません。なにしろ他人から支援を受けた政治資金ですからね。

上場を目指すベンチャー企業だって、VCから多額のファイナンスを受けたあと、会社の経費で高級車や高級絵画を買ったりしたら、違法ではないけれど不適切ですよね。

政治のためにつかってもらいたいお金、事業のために使ってもらいたいお金、それから被災者のためにつかってもらいたいお金が別のものに使われたら支援者からしたら最悪です。

ローカルからオフィシャルへの脱却は、上場を目指すオーナー経営者にとっても乗り越えなければならない最初のハードルでもあります。 倫理観の問題でもあり、違法か否か以上にお金の使い方によってトップの品性や信頼性が見えてくるのでは・・・と思うわけです。

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