スコットランドで活躍する日本サッカー界のファンタジスタ“中村俊輔選手”
の著書『察知力』を読みました。
相手より早い動き出し、そして相手の動きを瞬間的に察知してフリーキック
のコースや角度を決めることなど、体格・スピードのハンデを克服するため
に、この察知力を磨いてきたことが良くわかります。
中学3年生の時、テクニックに自信を持つあまり、周り(チーム)が求める
プレーができなかったという体験から、その後は自分が何を求められてい
るかを察知することに気を配ったといいます。
若くして日本のトップクラスで活躍してきましたが、エースポジションで
あるが故、代表選考やイタリアでの選手起用などメディアを通じて、彼の
苦悩が伝わってきていました。
しかし腐ることなく常に選ばれる選手になるために、自分に何が足りない
かを察知し、技術を追求してきたことで、スコットランドで花開いたのだ
と思います。
一方、「人材紹介の仕事で一番必要な能力は何だと思いますか?」
先日、他の人材紹介会社の若手営業の方に、こんな質問をしてみました。
するとその彼は、「僕はまだまだですが・・・察知力だと思います。」
と答えてくれたのです。
確かに、企業と候補者の間に立ち、常にアンテナを張り巡らせ危機の回避
や問題となりそうな杭を叩いておいた結果、ベストなマッチングに至った
という例が沢山あります。
と言いますか、それがなければ紹介のプロセスをコントロールすることは
事実上不可能でしょう。
あるときは企業の代理人に、あるときは候補者の代弁者となり、双方の
感情の変化を見逃さないフォローがとても重要です。
あとから考えれば、そのアプローチの仕方が、結果を左右する分水嶺
となった「行動、会話、質問、表情、姿勢」である場合が多いものです。
最後は、デジタルではマッチングできない「人の感覚」の部分が分かれ目
です。
まさに空気を読む=察知力。これは人材紹介の仕事だけでなく、人とのコミ
ュニケーションでは欠かせません。
察知力とは、回りが自分に求めることを知るのみならず、自分自身の力を
知る力であると思った次第です。
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2008年8月5日火曜日
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