2008年8月5日火曜日

”察知力”

スコットランドで活躍する日本サッカー界のファンタジスタ“中村俊輔選手”
の著書『察知力』を読みました。

相手より早い動き出し、そして相手の動きを瞬間的に察知してフリーキック
のコースや角度を決めることなど、体格・スピードのハンデを克服するため
に、この察知力を磨いてきたことが良くわかります。

中学3年生の時、テクニックに自信を持つあまり、周り(チーム)が求める
プレーができなかったという体験から、その後は自分が何を求められてい
るかを察知することに気を配ったといいます。

若くして日本のトップクラスで活躍してきましたが、エースポジションで
あるが故、代表選考やイタリアでの選手起用などメディアを通じて、彼の
苦悩が伝わってきていました。

しかし腐ることなく常に選ばれる選手になるために、自分に何が足りない
かを察知し、技術を追求してきたことで、スコットランドで花開いたのだ
と思います。

一方、「人材紹介の仕事で一番必要な能力は何だと思いますか?」
先日、他の人材紹介会社の若手営業の方に、こんな質問をしてみました。

するとその彼は、「僕はまだまだですが・・・察知力だと思います。」
と答えてくれたのです。

確かに、企業と候補者の間に立ち、常にアンテナを張り巡らせ危機の回避
や問題となりそうな杭を叩いておいた結果、ベストなマッチングに至った
という例が沢山あります。
と言いますか、それがなければ紹介のプロセスをコントロールすることは
事実上不可能でしょう。

あるときは企業の代理人に、あるときは候補者の代弁者となり、双方の
感情の変化を見逃さないフォローがとても重要です。

あとから考えれば、そのアプローチの仕方が、結果を左右する分水嶺
となった「行動、会話、質問、表情、姿勢」である場合が多いものです。

最後は、デジタルではマッチングできない「人の感覚」の部分が分かれ目
です。

まさに空気を読む=察知力。これは人材紹介の仕事だけでなく、人とのコミ
ュニケーションでは欠かせません。

察知力とは、回りが自分に求めることを知るのみならず、自分自身の力を
知る力であると思った次第です。


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