2007年12月5日水曜日

視界良好

毎朝の起床には、目覚まし代わりに携帯電話のアラームを
利用している。今朝もそのアラームを止め、洗面所へ向うた
めに枕元のメガネを探すが、一向に見つからない。
「あれ、どこだっけ・・・」
また、丸首のパジャマを脱ごうと、眼鏡を外すため顔まで
手が動かすが、そこにはもう眼鏡のフレームはない。
もう近視用眼鏡を必要としない生活が始まっていたのだ。

近視矯正の手術をしたばかりでちょっとぼやけるが、
0.02だった視力が今のところ裸眼で1,5なっている。
視界が開けたというか、世界が変ったのだ。

思えば、中学に入る前から急激に近眼が進み、ずっとメガネ
そしてコンタクトのお世話になってきた。メガネをしての野球
に限界を感じ、高校からはコンタクトを付けてバスケットボー
ルを始めた。埃とは無縁のスポーツと思ったが、バスケットは
格闘技だ。ぶつかり合いの末、幾度となく練習を止め、床に落
とした透明のコンタクトを皆に探してもらった。試合中片側だ
け落として踏まれたこともある。メガネを外すとなんにも見え
ないから海も嫌いだった。お金も沢山使ったし、諦めたことも
多い。
30年近く前に今のような近視手術があれば、きっとやって
いただろう。今頃プロサーファーになっていたかもしれない。
(それは無いか)

手術のお陰で遠くは見えるようになり、今後の夢も広がったが、
逆に今度は近くが見えなくなった。気がついたら老眼が当たり前
の歳になっていたのである。
「近眼は、さようなら。老眼よ、こんにちは。」

さて、仕事でも近くばかりを見ていると全体が見えなくなり、
先のことばかりを考えていると、足元の大事が見えなくなる。
どちらか一方は得意で、偏りがちという人が多いのではないか。
そんな時、眼鏡を掛けるわけではないが、視界を手元から遠くへ、
あるいは遠くから手元に移してみてはどうだろう。いつもと違っ
た見方をすることで、今まで見えなかったものが見えて、何か
閃いたり、スッキリするかもしれない。

色々な視点で物事を見られる人が、デキる人材なのではないだ
ろうか。

これからは、今まで使っていた近眼メガネのフレームに老眼の
レンズを入れることになるだろう。
いづれにしても、メガネとは一生の付き合いになりそうだ。