2011年6月20日月曜日

採用の山と谷

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月曜日の日経新聞に、主要企業の2012年の新卒採用計画と、
採用数は2011年比で13,7%増加するという記事が掲載されました。

今までも、短期的な景気の山と谷とにつられて、心理的なものも
加わり、採用の山と谷は繰り返して時代を経て来ました。

2000年前後の金融不安とITバブル後の採用抑制。
3年前のリーマンショック後の景気減速による採用抑制。
そしてそれら抑制期前後の積極大量採用という現象・・・。

いつの時代でも採用の増加と縮小を繰り返し、学生はその狭間で
悩み苦しみながら就職戦線を戦ってきました。


今回、各企業(特に大手)は、震災による利益減少や原発の影響という
大きな問題を抱えながらも、団塊世代の大量退職と、採用抑制による
年齢構成の歪是正のため、人員を確保して行こうという意図があります。

一方、中小企業やベンチャーにとっては、まだ積極採用のムードには
ほど遠いようです。中小も積極採用できる環境になれば日本経済も
だいぶ明るくなるのでしょうね。

弊社も小規模ながら、数年前に新卒含め同時期に6名の採用をした経験
があります。社員が倍増したわけですから、今考えると随分と無謀なこと
をしたと思うのですが、その時はIPOブームなどで先の展望も明るく、
右肩上がりの予感があり、社員の給料は売上増で吸収できるだろうという
甘い計画を立ててしまいました。

その後すぐIPOバブルが崩壊し、敗戦処理をしながら足元を固めました。
最近ようやくその頃の売り上げを超えてきましたが、残念ながら新卒採用者
を十分に育ててこれたかとういうと、反省すべき点が多いです。

中小企業にとって、目の前の収益を確保をするには売上貢献度の高い社員
が一番ありがたい存在である事は間違いありませんし、稼げる役員や社員
を中心に会社が回って行くのが通常でしょう。

しかし組織の長期的な繁栄には忠誠心の高い、生え抜きメンバーの存在が
欠かせないことは明らかです。ジャイアンツも同じですね。


現在日本の人口構成は、団塊世代の1学年が20歳世代の1学年の2倍の人数
という、逆ピラミッドになっており、今後新卒採用もどこの会社でも
欲しがる優秀な人材は取り合いになるだろうと予想されます。

ただ、新卒を採用しただけでは戦力にならず、今後は若年層の育成という
テーマと向き合って行かないと、長期的成長は適わないのだと自覚すべき
です。弊社でも再度新卒採用にも挑戦してみたいとは思っています。

では、中途採用社員では会社へのロイヤリティーが持てないかというと、
そんな事はなく、それも経営者の導き方次第と思います。

生え抜きメンバーと隔てなく接し、仕事にやりがいを感じさせ、
成果に対する評価(報酬とポジション)を提供できるかがポイントです。

何より会社側と所属するメンバーとのベクトルを一致されることですね。


じわじわと縮小する国内経済と政治への苛立ちなど、落陽ムード蔓延する
中、不安を抱えて生活している人が多いですが、悪いことばかり想像し
ても何も始まりません。

国を頼りにしても遅々として進まない状況は今後も続くと思うのです。
個人は個人との結びつきを強くして、企業も経営者が次世代を創る若者を
育てていくという意識を強め、具体的な施策や行動を起こすことが日本
復活への道だと感じています。